今年も猛暑が続いています。東京は7月中旬から20日間30度を越えていますが、台湾の対岸にある交流先の中国福建省ではこの時期38度を超える日 が続いています。この数年は40度を越える日も記録しています。40度が続くとヒトの体が追いつかず、危険な状態になり亡くなる方も出てきます。
ちなみに冬のハルピンでマイナス35度を経験しましたが、足先から頭までしっかりとした防寒具が必要となります。特に口と鼻から急に冷たい空気を肺に入れると呼吸困難を起こします。どちらにしても気温に応じての体温の急な変化は体に無理がかかります。

治療の際、いろいろな病気の方を問診していますと、低体温の方が、ことに若い女性に目立っていらっしゃいます。私達は、体の代謝をスムーズに促していくためには、少し高めの体温が必要で、体温が低いといろいろな代謝が滞ってきます。
例えば、不妊症の患者さんの足を触ると氷のような冷たさを感じます。その冷たい血液が子宮に運ばれ、卵巣、子宮などでの代謝を抑えてしまいます。足が温かくなってくることが妊娠の目安にもなります。といって毎日足湯をしていくだけでは解決にはなりません。

すべての代謝はDNAの設計図から作られたタンパク質(主酵素)にビタミン、ミネラル(補酵素)が結合して、基質に働きかけて進行していきます。卵巣、精巣で性ホルモンが作られるためには、いくつかの代謝を経ていきます。
肝臓内で酢酸からスクワレンが作られ、スクワレンからコレステロールが作られます。そして卵巣、精巣内でコレステロールが基質となって、DNAの指令によって構造が決められたタンパク質にビタミンEが結合して黄体ホルモンが作られます。
黄体ホルモンからヒドロキシプロゲステロンにそしてヒドロキシプロゲステロンから性ホルモンが、一方、同じ代謝を経てコルチゾールなどの副腎皮質ホルモンが作られます。この代謝にはビタミンCが必要です。副腎皮質ホルモンは消炎、抗ストレスに働きます。

性ホルモンの代謝を促すにはコレステロール、タンパク質、ビタミンEが必要となり、それら が結合するために熱が必要とされます。低体温でなおかつ低コレステロールの人が多く見られますが、それらの方は性ホルモンの代謝が滞り、不妊症、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣脳腫、更年期障害などの婦人科疾患にかかりやすく、ストレスに弱く、炎症の回復も遅くなります。
コレステロール値を高めるには肝機能を高めることが大事です。コレステロールは1日2000mg必要とすると、そのうち1500mgほどは主に肝 臓で作られます。そして肝臓での代謝に一番必要なものは高タンパク質です。また体温を上げるためにも高タンパク質が必要となります。
体温を保つのは筋肉で、筋肉ではビタミンE,コエンザイムQ10などを利用しながらエネルギー代謝によって熱が作られます。筋肉はタンパク質ですから、タン パク質の摂取が不足してくると、筋肉が衰え、エネルギー代謝が落ち込んできて、低体温になります。若い女性は極端なダイエットに走ります。
タンパク質の摂取が不足して低体温になると、脂肪をつけて体温を保とうとします。結果は食事を抜くと脂肪がつくといった悪循環に陥ってしまいます。タンパク質を毎日摂取するよう心掛けましょう。

町田 久