11月初めに中国福建省福建中医学院(Fujian University of Chinese Medicine)の50周年記念大会に出席してきました。福建中医学院との交流は20年前からです。中国の急激な発展とともに時間が過ぎました。

当時の空港は市内から近いローカルな空港でした。飛行機からタラップで降りてから荷物受取所まで滑走路を歩いていきました。荷物受取所もコンベアーに乗ってくるのではなく、トラックで運んできて荷台から放り投げていました。割れ物もあるでしょうから、乗客の人たちは真剣に荷物を受け止めていました。
学校の車で迎えに来てくれましたが、車の無い人は我先にバスやタクシーに乗ろうとしますので、なかなか先に進めませんでした。飛行機に乗るときもカウンターに行くまでが大変で、とても日本人では用が立たないところでした。チェックインしてから待合室で3、4時間待たされてからキャンセルになったこともありました。町は自転車があふれ、埃っぽく、電力が足りなかったのでしょう、どこも暗かったです。デパートも暗く、買うカウンターの前に立たないと電気が点きませんでした。

そんな中国が、ラジオから白黒テレビに移るよりも、一気にカラーテレビになり、衛星放送へと移りました。学校の施設でのICカード導入はかなり早く、食堂で学生達はICカードを使用していたのを見て、最初わけが分からなかったのを覚えています。日本にICカードが無い時代でした。大学も郊外に移り、広大なキャンパスを持っています。先日行ったときには携帯電話にチップが二つ入っていました。一つは仕事用の番号、一つはフライベートの番号と使い分けていました。車もドイツ、日本の車がたくさん走っています。広州には日本車の工場がありますが、何千という予約が一杯で半年先にならないと3,4百万の車が手に入りません。20年前からの交流はいろいろなギャップがあり、大変でしたが、古い友人を大事にする気持ちには、いつも心が温かくなります。大会の会場でも、3年ぶり、5年ぶり、7年ぶりというたくさんの人から名指しで声かけられました。

中国伝統医学からは多くのものを学びました。漢方薬は20種類以上の組み合わせで処方していきます。その中のひとつの成分が効果を出すものであっても、そのひとつの成分を取り出して単独で使用しても効果が出てきません。ここが化学物質である西洋薬と天然物の漢方薬の違いです。多くの成分の組み合わせで効果を出すところに、今の医学の強引で一方的な治療と個体差に重点を合わせる漢方との差があります。
また舌とか脈を診て、全身を診断していきます。ひとつの疾患でもいつも全身の状態を見ながら治療を進めていきます。部分から全身を診て、全身を診ながら部分を治療していきます。これらの中国医学の特徴を踏まえて日本大学医学部脳神経外科教授の酒谷薫先生は“なぜ中国医学は難病に効くのか”PHP研究所の著書の中で、中国医学の2000年以上も前に作られた五行学説の臓器の図と今物理の世界で注目されているカオス理論の生体モデルとの類似点に着目し、五行学説の人体に対する考え方の先進性を指摘しています。
古代の中医は五行学説を応用して、人体を一つの複雑系システムとして考えていたようで、これは西洋医がいまだに取り入れていない最新の考え方であると述べられています。

 

町田 久