先月に引き続き、安部塾について書いていきます。
安部塾の会場は和風創作料理“銭形”の4階で行っています。
地下鉄「銀座」で降りて、銀座通りを新橋方面に歩き、三菱UFJ銀行の手前を左に折れ、2つ目の左角のビルです。4階は30人ほど入る広さで、正面奥に安部先生の席を作り、右壁を利用してコンパクトなプロジェクターを使い、スライドを見ながらの塾にはちょうど良い大きさの部屋です。16時から18時までの土曜日の2時間を無料で貸していただいています。
女将さんまで早くから来ていただき、会場作りを手伝ってくれています。女将さんは皆からお母さんと呼ばれて、お母さんを相手にお酒を飲むのを楽しみに来るお客さんが大勢います。84、5歳でしょうが、いつも白い割烹着を着て、4階と5階の店を切り盛りしています。調理は2代目店主の息子さんがしていて、季節のメニューもあり、旬のものを安く、大変美味しくいただけますが、一番人気はだしの入った大きな玉子焼き、焼き鳥、おでんという気軽に入れるお店です。
“銭形”の先代は昭和21年から銀座で屋台を引いていました。昭和26年に銀座の美化のために、東京都は屋台の廃止を決め、銀座7丁目付近の土地を提供され、店が作られました。長く大衆に愛読されていた銭形平次の“銭形”を屋号にと、屋台を引いていた時によく足を運んでいた将棋の名人原田泰夫氏に相談し、彼の口添えで、作者の野村胡堂から名前をもらったのが由来です。ちなみに「銭形平次捕物控」は「オール読物」で1931年から1957年まで26年間383編が発表されたもので、映画、テレビでも人気時代物の王道と言われてきました。今では「ルパン3世」シリーズに銭形警部が銭形平次の子孫として活躍しています。

安部先生の話の中で苦笑させられた話がありました。
人の染色体の数は、父親と母親から23本ずつもらった合計46本です。精子や卵子は23本の染色体を持ち、両者が受精して、計46本の染色体になります。23本の染色体の1セットをゲノムと言いますから私たちは2ゲノム持っていることになります。
22本は常染色体で残りの1本が性染色体XかYです。女性はXX、男性はXYを持ちます。
男性の知的能力は母親に似るといいますが、男の子のX染色体は母親由来であり、X染色体上には神経精神活動に関連する遺伝が多数存在するからです。そして劣性遺伝子もX染色体が受け継ぎ、Y染色体は大きなX染色体に比べ、ゴミみたいに小さく貧弱な形をしています。どうも男性は母親から逃れられない存在であることは間違いないようです。

生物を取り巻く環境は激変を繰り返して、その激変が多くの種を絶滅させてきました。
したがって種の存続には遺伝子の多様性と環境変化に適応できる遺伝子変化が必要です。精子や卵子を作る過程の中で、2倍体細胞の減数分裂により、1倍体細胞ができるとき、常に新しい遺伝子の組み合わせがおき、その多様性によってより環境に適合した遺伝子の組み合わせを得てきています。
1本の染色体に注目すると、多くは染色体の組み合わせが起こるために、祖父、祖母から別々にきた遺伝子の一部同士が結合したものになっています。ヒトという種では、遺伝子の99.9%のヌクレオチド配合が一致し、個体差は残りの0.1%の違いだけという。
安部塾の1回目は“遺伝子は多数集団内での共有財産”であるというのが結論でした。

町田 久