7月下旬、札幌で第18回統合医療機能性食品国際会議がありましたが、この会には、会の発足当時から中国福建中医薬大学の杜前院長が参加しています。今年も大学から5名が参加してきました。
とくに今年は会の前に来日していただき、北海道下川町に行って森を散策し、モミの木の精油の抽出を見学してきました。また地元のNPO“森の生活”が町民に声をかけ、夕方に杜院長の講演会、次の日の早朝には公園で八段錦という中国の気功を杜院長を囲んで行いました。
講演会は“長寿と中医養生法”をテーマに話されました。内容の一部を紹介します。

“人類の寿命はどの位あるでしょうか。4000年前に人の平均寿命は18歳でした。3900年が経って100年前、ようやく人の平均寿命は30歳になりました。1975年になって人の平均寿命は59歳になり、現在、人の平均寿命は67歳です。
しかし日本の人の平均寿命は世界中で一番長いです。79歳、80歳ぐらいでしょう。今のヨーロッパの人の平均寿命は73.7歳になりました。中国の人の平均寿命は、今年、67歳なりました。2050年になって、中国人の平均寿命は80歳ぐらいなると予測できます。ということは40年経って、中国人の平均寿命は今の日本人の平均寿命と同じになります。
世界の人の老化趨勢はますます進み、年をとる人はだんだん増え、老年化現象は世界の厳しい問題になってきています。老年病で最も主要なのは、心、脳血管の疾病、また高血圧と癌です。日本の現在の癌の発病状況は全世界中で最も高い方です。また老年痴呆の発病率は今世界の一位です。ですから、もし日本で癌と老年痴呆が克服された場合、さらに寿命が延びることになります。
中国の長寿に対する保健養生法はどのような主要の流派があるでしょうか。中国では何千年来、多く学術流派が養生保健について研究しています、今日は主要な、儒家、道家、仏家の三つを紹介します。儒家の代表人物は孔子(前551~前479)です。道家の代表人物は老子(前5世紀頃)です、仏家は仏教で、代表人物は仏陀(前5世紀頃)です。
儒家の特色は社会の人々の中で養生保健します。まず人は道徳があり、高尚な道徳を持っていれば、長く生きられます。道徳を持っている人を仁者と言います。仁者は仁愛の心を持っていて、周囲の人を愛し、近所の人、自分の親戚などに常に親愛な心を持つと、病気になりにくく、寿命が長くなるはずです。それが儒家の養生保健の思想です。
道家の養生思想は素朴な精神に戻って、自然に任せます。今自然を破壊して、環境が変化し、多くの疾病の発生を引き起こしています。道家は私たちに日常生活習慣には規則があり、自然をとらえることを教えてくれました。暗くなったら寝ます、明るくなったら起きます。飲食は粗食淡菜(質素な食事)、油っぽい物をあまり食べないで、偏食もしない、飲食は控え目にすべきである。四季の寒暖に順応し、人工的に寒暖に合わせない。以上のことを守っていれば、私たちは長生きできます。逆なことをすれば私たちの寿命はだんだん短くなります。
最後の仏家の最も主要な思想は、精神と肉体の結合のことです。つまり私たちの物欲と性欲を控えることです。もっと精神上の解脱を探求する、自分自身の修養が目的です。だから私欲がなく、素朴であり、純である。完全に精神的に解脱することを説いています。”

最後に杜院長は
“私たちの寿命の長さは運命とは関係がありません。養生は自分自身の努力です。”
と結びました。

町田 久