講演会で聞いたり、あるいは本、新聞などを読んだりして、色々な先生の言葉が、すっと頭の中に入ってくることは多くあります。35年前に分子栄養学を提唱なさった三石巌先生から教わった言葉は沢山ありますが、その中で“シナプス走査、シナプス共鳴”という三石先生の造語が頭に残っています。

神経細胞、ニューロンからは1本の長い軸索と十数本の樹状突起と言われる導線が出ています。それらの導線を通じて情報を出したり、受け取ったりしています。ある情報を得るとニューロンは興奮し、絶縁体でカバーされた1本の軸索を通して電気信号が伝わっていくと、その末端にシナプスといわれる器官があり、そこには神経伝達物質が収められていて、興奮によって神経伝達物質が放出され、別のニューロンの樹状突起へと送られて情報が伝わっていきます。学習によってニューロンと別のニューロンをつなぐ接点であるシナプスが大きくなることが分かっています。

同じ情報を繰り返し学習することで伝達の効率が良くなり、スムーズになっていきます。情報を固定化する、これが頭を良くする条件です。
“シナプス走査”の走査はCTスキャンの「スキャン」の意味で、電気的信号をそれに対応する各点の明るさに変換して画像を組み立てることで、一方から他方に向かって、ほうきではくように空間をなぞる操作を言います。シナプス走査でシナプスの神経伝達物質がどの樹状突起につながるかを探ります。ある人と出会って、その人の名前を思い出せない時、色々な名前を探ります。シナプス走査をして探っていくわけです。
“シナプス共鳴”の共鳴とは、振動数の等しい2本の音叉を並べておいて、一方を鳴らすと、もう一方も鳴りだすリズムという意味。この場合、神経伝達物質の放出によってリムズを照合し名前を確かめ、共鳴し一致して名前を当てる。何度も会う人の名前は、樹状突起とのつながりが固定しているためにすぐ出てきます。
140億の脳細胞がありますが、20歳から1日10万の脳細胞が減少していきます。10年4億ですから、70歳で20億程減ってしまいます。140億の20億ですから、まだまだ大丈夫と思ってしますが、実際には高度な脳と言われ大脳皮質と学習、記憶に関わる海馬というところが減少、委縮していきます。ですから年とともに物忘れが多くなったり、うつになったり、しまいには認知症になってしまいます。

2010年には60~64歳がピークの日本、2050年、後40年で75~79歳がピークになり、なおかつ人口は9000万人を切ると予想されています。
急速に少子老齢化の時代に入っています。元気で、日常の生活は自分で責任を持つ老人にならないと、国は介護、医療で破たんしていくのは明らかです。老齢化に対して、まず脳の働きを良くすることに心がけることが大事です。今一番関心があるのが、脳の海馬の血行を良くする論文が出ているライチポリフェノールです。このサプリメントを使って人、物の名前が出るようになってきた、また動脈硬化がすすんでいるところから、正常値、そして若返った人も何人かみられるようになってきています。

町田 久