統合医療がアメリカ、イギリス、ドイツ、スイス、オーストリアを中心に広がっています。その基本の考え方は、例えばがんの治療の場合、抗がん剤、放射線、外科手術の標準治療がありますが、それはあくまでがん細胞を直接叩くもので、その際自分の持っている免疫は下がっていきます。免疫が下がると色々な体の不都合が出てきます。睡眠が取れなくなる、食欲がなくなる、痛みが増す、ぐったりしてやる気がなくなるなど体力・気力が失われていきます。

統合医療は標準治療以外の補完代替医療などを併せて、免疫をあげて、体力・気力を充実させていこうとするものです。治療を受ける前、また治療の間に標準治療以外の色々な療法を受けることで、治療効果があがります。補完療法として鍼灸、アロマセラピー、リフレ、カイロなどの手技、食事、サプリメント、光線療法、音楽療法、森林療法、温泉療法、またビタミンCの点滴など医療機関でないと受けられない療法までたくさんの選択肢があります。

補完代替療法はComplementary and Alternative Medicine略してCAMと言われ、日本では厚生労働省がん研究助成金による「がんの代替療法の化学的検証と臨床応用に関する研究」班と独立行政国立がん研究センターがん研究開発費による斑によって編集、製作されている「補完代替療法ガイドブック」が2006年から現在まで第3版まで更新されています。
アメリカでは年間1億ドル以上の予算が国立補完代替療法センターに配分され臨床試験が行われています。イギリスでは国家レベルでの研究が行われており、開業医は補完代替医療の治療家を自分のクリニックで雇用でき、その費用は国の保険でまかなっています。

日本では、「補完代替医療ガイドブック」によると、日本のがん医療現場における補完代替医療の利用実態調査では44.6%の人が利用していて、そのうちサプリメントが96.2%、ちなみに鍼治療は3.6%に過ぎません。アメリカ、ヨーロッパでは鍼、アロマセラピーなどは60%を超えています。ちなみに日本で生産している鍼の90%は海外に輸出されています。日本で、もっと手技療法を利用して欲しいものです。それには鍼灸師を含めてセラピストの知識、技術の向上が必須条件になるでしょう。
ガイドブックではアロマセラピーについて“患者さんの心理状態、特に不安感やうつ症状などの精神的症状の改善効果、またがんに伴う痛みなどの身体的症状の改善効果、抗がん剤や放射線療法の副作用を軽減する効果”あると前向きな内容が示されています。

アロアセラピーなどは、触れることで、オキシトシン、βエンドルフィン、アセチルコリンなど色々な神経伝達物質、ホルモンが働き、免疫をあげ、気力・体力を充実させていきます。たとえばオキシトシンには安らぎと結びつきの反応をもたらすもので、特徴として血圧の低下と心拍数の減少、皮膚と粘膜での血液循環の増大、ストレスホルモンの血中濃度の低下、消化、栄養の吸収と貯蔵が効率的にあげられ、くつろぎ、瞑想的、幸福、社交性、平静さ、感受性豊か、感情豊か、依存性、成長と治癒を引きおこすものとされています。
手技療法が今後の補完代替医療の基礎に位置するものだと考えています。

町田 久