7月下旬に北海道の川湯温泉、札幌、下川町を回って来ました。それぞれ講演会、研究会がありました。川湯温泉は摩周湖まで車で20~30分のところの阿寒国立公園の中にあり、何といっても温泉が自慢です。それぞれの旅館、ホテルの温泉は近くの硫黄山から流下してくる温泉です。全て源泉かけ流しで、57~58度の温泉源を持ち、ph1.6~1.9の酸性硫化水素泉、酸性硫黄泉です。38度ほどの中温度の温泉に少し長めの入浴をしたり、42度ほどの高温度の温泉にさっと入ったりと良質なお湯を楽しめる国内有数の温泉です。来年秋には、源泉かけ流し全国大会が開かれます。
旅館、ホテルを出れば、アカエゾマツはじめ、シラカンバ、ミズナラの森が広がります。また6月から9月初めまでは硫黄山までの2キロのつつじヶ原散策ができます。これらの散策に、ビタミンマッサージ、鍼などのセラピー、サプリメント療法、食事療法などを加えたプログラムを作り、統合医療を推進する町にしていこうと仲間が集まり、色々な企画がされています。

その一環として、今回は福建中医薬大学の前身福建中医学院前院長の杜先生をお呼びして、講演会を川湯ふるさと館で開きました。
中医学の特徴、また中国におけるアロマセラピーの話をしていただきました。
中医学の特徴としてアレルギーに対する治療、解毒、血流改善などをあげられていましたが、どれもが西洋医学のように一方通行の治療ではなく、行きすぎることがないのが中医学です。
たとえば血糖を抑える西洋薬(化学薬品)は、正常値に戻そうとするものではなく、どんどん血糖値を下げて行きますので、量を加減しないとしまいには低血糖になってしまい、何らかの副作用が伴います。それに対して、漢方薬など自然物を原料とするものは、基本的には正常値の範囲まで下げるものです。
また、太極図でも解釈されますが、中医学は常に全身を診ながら、患部(部分)を診て行きます。反対に、舌や脈などの部分から全身を診断していきます。これらは統合医療の基本の考え方でもあります。薬、放射線、手術など標準治療は患部(部分)の治療です。患部だけを良い状態にしようとしますが、全身の健康状態を良くしていこうとする治療、視点が欠けています。それを踏まえ、統合医療ではサプリメント、アロマセラピー、鍼治療など代替医療で全身の健康状態を向上させ、そのうえで標準治療を受けることで、一層治療効果を上げようとするものです。

日本でもがん患者の45%が何らかの代替医療を利用し、そのうち96%がサプリメントを利用していると“補完代替医療ガイドブック”に紹介されています。サプリメントは薬と同じようにエビデンス(裏付け)があることもあり、医療機関でも勧めるところが多くなってきていますが、これでは片手落ちと言わざるを得ないでしょう。
温泉療法、アロマセラピー、鍼、食事療法、森林散策療法、音楽療法、色彩療法、運動療法、気功、ヨガなどたくさんの代替療法を加えていくべきなのです。自然環境を利用した思いやりの医療、アロマセラピー、鍼など患者さんと触れ合う手技療法などは日本が得意とする分野ですので、今後日本が世界のモデルとなって作り上げていく医療の形だと考えています。

町田 久