タンパク質の摂取を控えているという方もいらっしゃいます。タンパク質と言えば三大栄養素として有名です。誰でも耳にしたことがあるはずですが、本当のところはどうなのでしょうか?

食事に占めるタンパク質摂取量が体重増加やエネルギー消費などにどのような影響を与えるかという研究が、2012年「JAMA(Journal of the American Medical Association)」に発表されました。18~35歳の25人の被験者に56日間にわたり1日当たり約1,000?を余分に摂取させ、体重などの記録をとった結果、タンパク質の量ではなく、どのくらい食べたかという食事量が脂肪を増やしていると結論づけられています。この研究で重要なのは、低タンパク質の食事を続けたグループの筋肉量が減っていたことです。反対に標準的なタンパク量と高タンパク質の食事を続けたグループは、筋肉量が増えていました。すべてのグループで体重が増加していたのですから、低タンパク質の食事を食べたグループの体重増加は脂肪が増えたことが要因と言えます。では、低タンパク質の食事を続けると、なぜ筋肉量が減少してしまうのでしょう。

タンパク質は約20種類のアミノ酸という分子がさまざまな形で結合したものです。そのままでは大きくて吸収されないため、食品から身体に吸収される時点で一旦ばらばらのアミノ酸に分解されます。体内で必要に応じてもう一度つなぎ合わされ、臓器、筋肉、皮膚、毛髪、爪といった形態や血液、酵素、神経伝達物質などへと再結成します。

つまり、私たち人間の身体のあらゆるものがタンパク質から出来上がっていることになります。生きていくために欠かすことができない栄養素であり、構造物質なのです。
約20種類のアミノ酸のうち9種類は、体内でつくることができない「必須アミノ酸」と言われています。自分でつくることができないのですから、食品から摂取する必要がありますね。ですから、低タンパク質の食事を続けていると、身体に必要なアミノ酸、タンパク質が不足してしまうことになります。
タンパク質が不足すると、身体は筋肉を作っているタンパク質を分解して、より大切な組織に供給しようとします。その分だけ筋肉の量が減ってしまい、基礎代謝の量も減ってしまうことになります。先ほどの低タンパク食の食事を続けたグループの脂肪が増えた要因もここにあります。他にも、体力も低下しますし、異物から身体を防いでいる免疫の働きが悪くなり、抵抗力が弱まって、感染症をはじめとした病気にかかりやすくなります。記憶力や思考力の低下、神経症など様々な疾病や障害を引き起こすなど、自覚症状がないうちにあらゆる体の機能にダメージを受けている可能性があるのです。

私たちの身体に不可欠なタンパク質ですが、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、メタボリックシンドローム対策や女性を中心としたダイエット指向の影響を受け、近年目安量よりも摂取量が大きく下回っています。必要なアミノ酸がきちんと補給されるように、いろんなタンパク源をバランスよく適度に食べて、タンパク質を補給したいですね。

町田映子