ノロウィルスのニュースを耳にすることが多くなりました。ノロウィルスとは、乳幼児から高齢者まで広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こすウイルスのことを言います。主に冬に多発し、下痢だけではなく嘔吐を引き起こすことが特徴です。
ノロウィルスといえば、牡蠣などの2枚貝の生食による食中毒が有名です。ですが、牡蠣がウィルスを持っているわけではありません。牡蠣はプランクトンを餌としているので、その際にウィルスを内臓に蓄積してしまうのです。養殖場に人間の生活排水が流れ込んでいることが考えられるため、管理の行き届いた生産者から購入することが肝要です。保険機関のデータを見ても実際の飲食店における原因は牡蠣の食中毒よりも、誰かがノロウィルスに感染し、施設内で、人から人への感染し拡がってしまうケースが多く報告されています。

すっかり悪者にされてしまった牡蠣ですが、「海のミルク」と呼ばれるほど豊富な栄養が詰まっています。生牡蠣100g中に、1日に必要とされるたんぱく質の3分の2が含まれているのです。食物からしか摂れない必須アミノ酸をはじめとして全18種類のアミノ酸を含む良質なたんぱく質です。また、牡蠣の旨みは、グリコーゲンなどによるものです。牡蠣の糖質の50%をグリコーゲンが占めています。グリコーゲンは、体内のエネルギーが不足したときに糖質に変化して血液中の糖度調節に使われるため、疲労を回復してくれます。この他にもビタミン類やミネラル類など、牡蠣は私たちの体に必要な栄養素が多く摂取できる食材なのです。
冬の市場で多く見られる真牡蠣は、夏は産卵期で痩せています。菌も繁殖しやすいので、英語圏では“r”の付かない月(5~8月)には食べてはいけないと言われています。11月頃からおいしくなり始め、産卵に入る準備をしている3月~4月頃が一番栄養を蓄えています。冬場に牡蠣が旬と言われるのはそのためです。

旬にいただく食材は、やはりおいしいものです。冬の野菜だと、ブロッコリー、白菜、ネギ、大根、春菊などですね。牡蠣も栄養を蓄えている時期が一番美味しいように、旬は、その食材が持つ栄養価を一番多く含んでいる時期なのです。たとえば、ほうれん草。旬以外の時期、ビタミンCは20mgですが、冬には70mgも含んでいます。寒締めほうれん草やちぢみほうれん草は、寒気にさらされることによって、ほうれん草が葉や茎に栄養を蓄えようとするため、より栄養もあり、甘くなります。冬だからこその野菜ですね。冬が旬な食材は、風邪を予防したり、乾燥を防いだりしてくれます。四季に合わせて大切な栄養素が摂れるようになっているのです。
現在はたくさんの食材が一年を通して手に入れることができるようになりました。ですが、その食材の旬はやはり変わりません。一番栄養価の高い時期に旬の食材をいただくようにしたいものです。今の時期には、冬が旬の野菜や魚、牡蠣が入っているお鍋は、体も温まりますので最適ですね。本日の献立にいかがでしょうか。

町田映子