庭のトマトが収穫の時期を迎え、同じ庭でとれたハーブ達と一緒に食べるのが楽しみになっています。プランターで育てたトマトは皮が厚いのが少し残念ですが・・・ トマトの皮のやわらかさは、水のやり方や収穫の時期、品種によって違うのだそうです。土壌に工夫をするなどして成長するスピードを早めれば、家庭用の品種でもやわらかな皮で育ってくれます。
トマトの赤い皮にリコピンという成分が含まれていることはよく知られています。リコピンは抗酸化作用が強く、有害な活性酸素をやっつけてくれる話も耳にしたことがあるのではないでしょうか。赤いトマトの皮を見ると食べ頃だなとうれしくなるものですが、江戸時代に日本にトマトが初めてお目見えしたときは、鑑賞用だったようです。食用になったのは明治以降で、意外と新しいのです。
南米原産のトマトは、見た目が毒をもった植物とよく似ていたため、ヨーロッパに渡ったときもすぐに食用とはされなかったそうです。日本の場合は、トマトの味が合わなかったことが食用にならなかった一因と言われています。成分的にも、トマトにはグルタミン酸などの旨味成分が豊富に含まれていて、イタリア料理などでは味付けの主役になっていますが、和食では昆布等のダシの旨味とぶつかってしまうんですね。今ではトマトのお味噌汁が話題になったりしていますが、個人的にはちょっと抵抗があります。

今はトマトの品種も増え、黄色やピンクのトマトも店頭に並べられています。でも、トマトと言えばやっぱり赤色を連想させますね。リコピンを含んでいるだけではなく、赤には様々な効果があります。アドレナリンの分泌を促進させ、交感神経を刺激し、体と心を興奮状態に導いてくれます。実際に、血圧や体温を上昇させ、心身を活発にさせ元気にさせる効果があるため、元気になりたいときやエネルギッシュに活動したいときには最適です。試合やテストのときに赤色を見ると見ないときより成果が出て効果的であるという研究結果も出されています。
日本の伝統色でも、赤系の色は特別な存在です。朱色は、神が宿る色、魔力に対抗する色とされ、古くから神社仏閣やそれに関連するものに使われてきました。朱色は生命力をあらわすとともに、災いや厄を防ぐ色としても重視されてきたのです。もしかすると、日本でトマトが食用として普及しにくかったのは、こんな面もあるかもしれませんね。

暑さが増して食欲が減退していくこの時期。たくさんの作用を持っている赤色のトマトを食べて元気よく乗り切りたいと思います。

町田映子