先日関西に出張に行ってきました。着いて早々にエスカレーターの立つ位置に戸惑ってしまいましたが、さほど遠いわけではない東西で違う文化があるというのは面白いですね。他にも、東日本のほうが西日本より濃い出汁が好まれているように味付けも違うのもよく知られています。
味というと口や舌といった機能が頭に浮かびますが、実は味覚の違いを感じ取るのは脳です。口の中の味細胞でキャッチされた味覚情報が、味覚神経の信号に変換されて脳に運ばれます。大脳皮質などでおいしさの判断が行われますが、ここにストレスの情報も入ってくるため、ストレスの程度や種類によって特定の味覚の感じ方が変化することがわかっています。普段は苦くて飲めないコーヒーがおいしいと感じたら要注意です。そのままにしておくとすべての味覚が感じにくくなってしまいます。

人が生活を送っていくうえで、ストレスそのものを完全に避けることは難しいですよね。ストレスにうまく対処できずに心身に負担がかかってしまうと、心や身体に不調が出ることがあります。実は私もストレス解消がうまいほうではありません。ストレスをいっぱい抱えた顔で帰宅してしまいます。
そんなときは必ず出迎えた子供たちがマッサージしようかと声をかけてくれます。大きな声では言えませんが、痛かったり、物足りなかったりするものです。それでも、身体の疲れや心の疲れを和らげてくれるのです。この正体が「幸せホルモン」です。
幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンは、哺乳類だけが分泌するホルモンです。ストレスホルモンを抑えて、安心感や親近感をもたらしてくれます。女性が出産や授乳をする際に分泌されるホルモンとしても有名です。最近では、男性女性にかかわらず人に触れてもらうことによって、このオキシトシンが分泌されることがわかっています。親しい人に触れてもらうとリラックスできたり心地よさを感じることができるのはこのためです。

人に触れるという「タッチング」は、意外と簡単な方法で誰でも人に触れて癒すことができるのです。今回の関西出張でも介護施設で講習をさせていただきましたが、皆さん上手にお隣の方にタッチングをされていました。タッチングを受ける方が目を閉じてリラックスしている様子に、うれしそうにタッチングをする姿が印象的でした。いつもの食事の味が分からなくなる前に、日頃からうまくタッチングを取り入れて、ストレスの解消をしていただきたいと思います。

町田映子