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先日出張に向かう新幹線の中から、きれいな富士山を見ることができました。冬晴れで空気が澄んでいるので、景色も一層くっきり見えますね。富士山を見て思い出したのが銭湯です。関東の銭湯といえば、富士山の壁画。幼いころは、お風呂好きな父によく連れて行ってもらったものです。静岡出身の絵師さんが描いたのがはじまりと言われますが、なぜお風呂に富士山なのかと不思議に思いつつ眺めていた記憶があります。

気温が低くなっていくこの時期は、特に熱いお湯に浸かりたいという方も多くいらっしゃいます。私も指先が冷たくなってしまうので必ず湯船に入りますが、熱いお湯は皮膚の表面にある皮脂を必要以上に落としてしまうのです。今月に行った介護とタッチングをテーマとした講習でもお話させていただきましたが、歳を重ねるほど皮脂の分泌が低下していきます。そのため、ますます皮膚が乾燥していくことになり、それが原因となり乾皮症や褥瘡といった症状へとつながっていくのです。
皮脂は皮脂腺というところで分泌されます。分泌された皮脂は体毛と皮膚の表面に広がり、膜のように覆うことで、外からの刺激から守ってくれます。若い頃は性ホルモンの関係から過剰に分泌され、ニキビの症状としてあらわれるため、皮脂は悪者のイメージですが、私たちの肌に必要不可欠な存在なのです。乾燥というと、とにかく水分をと考えがちですが、この水分に蓋をして、蒸発するのを守るのも皮脂です。

また、皮膚には常在菌が棲んでいます。これも悪影響を与えているように思われていますが、私たちに必要な菌です。常在菌は、常に私たちの身体全体の皮膚に存在している菌のことです。たとえば、皮膚の常在菌である表皮ブドウ球菌やアクネ菌は、皮膚を弱酸性に保ってくれています。この菌たちをゴシゴシ洗ったり、アルコール消毒などで必要以上に落としてしまうと、免疫力が下がり、病原菌が増えてしまいます。抗菌殺菌グッズがインフルエンザやウィルスが流行するこの時期は特に多く見られますね。悪さをするだけが菌たちの役割ではないことも頭の片隅に置いていただきたいと思います。

健康な皮膚でいるためには、皮脂や菌を、落とし過ぎないこと。しっかりと栄養を摂って、皮脂や菌のバランスを保つことです。この冬は健康な皮膚で外敵から守りましょう。