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がんを発症すると、どうしても病気そのものだけに目を向けてしまいがちです。ですが、がんの治療以外の面のほうが、かえってつらいのだと皆さんおっしゃいます。がんの大きさや腫瘍マーカーの数値を追い、抗がん剤や放射線治療など、がんそのものにどのように対処していくのかを考えていくことはもちろん大切なことですが、治療も含めて日常生活は毎日やってくるものです。がんを発症している部分以外の身体の存在を忘れてはいけないと思います。

私たちのからだは、約60兆個の細胞でできています。がんが発症したといっても、そのすべてががん細胞であるわけではありません。先月書いたように、私たちのからだは異物を攻撃する免疫のシステムを持っています。がんがあったとしても、これら免疫細胞が健康であれば、転移や再発を防ぐことが可能なのです。
私たちのからだの60兆個の細胞は、その20%が日々生まれ変わっていると言われています。そこでいかに健常な細胞を増やしてからだ全体の免疫力を上げていくか、がん細胞と闘う細胞を増やせるかが大切なのです。
なお、がんの治療方法の中には、がん細胞だけでなく正常な細胞まで攻撃してしまうものもあるので、治療内容をしっかり理解しておくことも必要でしょう。

正常な細胞が、がんへと変化してしまう原因ははっきりとはしていませんが、リスクが高まる原因についての研究が報告されています。
そのなかで一番可能性が高いのが喫煙です。たばこの煙には約60種類の発がん性物質が含まれていると言われています。肺がん、食道、咽頭がんのほかにも、腎臓、膵臓、肝臓、卵巣がんなど15種類ものがんになる可能性があるので、非常にリスクが高いことがお分かりいただけると思います。
反対に、喫煙と食生活といった生活習慣を見直すだけで全体の3分の2は、がんを予防できるのです。原発部分がどうにか快方へと向かったとしても、生活習慣が変わらなければ、やはり転移や再発の恐れがあります。喫煙、飲酒、運動不足、野菜不足など何かしらの原因となる部分があったと考えれば、その改善が必要となります。
からだ全体の免疫力を高めて、がん細胞に変化させないためにも、再発や転移を避けるためにも、毎日の生活習慣が極めて大切なことといえるでしょう。

気がつくと今年も残り少なくなってきましたが、流れるように過ぎてしまう毎日を一日一日どのように過ごしていくのかを考えていきたいと思います。