“触れる”心と補完代替医療

桜の開花宣言の日に金沢に行って来ました。羽田から1時間で小松空港、空港から高速バスが接続していて40分程で金沢駅。駅には鈴木信孝先生が車で出迎えて来てくれました。
鈴木先生は金沢大学大学院医学系研究科 臨床研究開発補完代替医療学講座 特任教授、 日本補完代替医療学会理事長です。

日本補完代替医療学会(JCAM)は1997年に設立された学会で、そのパンフの中に補完代替医療について次のように書かれています。
“補完代替医療は、米国のみならずわが国でも近年急速に脚光をあびている医学分野であり、Complementary and Alternative Medicine(CAM)(補完代替医療)という用語が使われています。そもそも代替医療とは西洋現代医学領域において、科学的未検証、臨床未応用の医療体系の総称であり、補完とは「西洋現代医学を補う」という意味であり、あくまで西洋現代医学を機軸としたものです。最近では補完代替医療の重要性が各国で認識されるようになり、専門ジャーナルも数多く発刊されるようになりました。これはこの分野の科学的エビデンスが急速に蓄積されつつあることを示しているものです。1993年、ハーバード大学のEisenberg博士らは、アメリカ国民の42.1%もの人が代替医療を用いていることを、New England Journal of Medicineに発表しました。一方、日本の統計では、成人の約65.6%の人たちが代替医療を利用しているという報告があります”
具体的には中国伝統医学、アーユルヴェーダなどの伝統医学から音楽療法、笑い療法、栄養療法、サプリメント、アロマセラピー、温熱療法まで多彩にあります。

先生方との夕食は宿泊先の金沢犀川温泉滝亭という旅館で摂りました。金沢から2~30分の奥座敷、水量が多い滝が見える露天風呂と内湯は弱アルカリ泉で“つるつる湯“の名がついています。地元のお酒を飲みながら、旬のものを美味しく食べました。
食事の前に先生に顔鍼を施術しました。男性は顔をマッサージしたり、鍼をしたりする機会がほとんどありません。ですから顔の筋肉のバランスと硬さ等にはじめて気づきます。顔のラインがはっきりとしてきて、1枚余計な皮が剥がれたようだと感想を述べていらっしゃいました。

補完代替医療の中で一番基本となるタッチング、触れるという手技が、いまの日本の補完代替医療に欠けているのではないかと問題提起しました。 鍼、マッサージなどの手技には相手に対する思いやりがなくては効果が発揮しません。 その思いやりは日本の心ではないでしょうか。 補完代替医療はアメリカ、ドイツなどで盛んですが、本当は日本が先頭を切って普及させる医療ではないかと思っています。 補完代替医療は思いやりが基本にあるべき医療だと思うのです。
顔鍼に使う鍼は0.12ミリの細い鍼を使います。 その鍼を、鍼管を通して刺していきます。 その鍼は日本でしか作られていません。 鈴木先生と話をしているうちに、顔鍼を世界に広めよう、そのために美容鍼灸研究会を立ち上げようと話が盛り上がりました。
鍼灸美容を通じて補完代替医療の良さの意味を広げていくのは、とても自然に補完代替医療を日本に、世界に普及できる手段になると夢は広がりました。

町田 久

歯の健康とタンパク質、カルシウム

私は年2回ほど、中央区新川にある井澤歯科クリニックに出かけて治療を受けています。井澤先生は以前からの知人です。
中学、高校生の頃、よく虫歯の治療を受けていましたが、衛生的にも、技術的にも、あまり良い治療を受けた覚えがありません。40年以上も前の地方のことですから仕方がない面もあるでしょうが、毎日のように歯医者に通い、治療も雑で、痛い思いをした印象が強く残っています。 それ以後は痛み出してから職場近くの歯医者に行って、治療を受けるようになりました。
この3,4年、知人の歯科医にお願いするようになってからしばらく定期的に通うようになっています。ひとりの先生にずっと診てもらうことは、歯の良い状態を保っていけますので、体調を保つことにずいぶん関係することだと感じています。

虫歯とともに歯周病が問題になっています。成人で80%、50歳以上で90%以上が歯周病に冒されているといいます。歯周病は歯と歯肉の間に歯周病菌が感染することで歯を支持している組織が破壊される病気です。しまいには歯が抜けてしまいます。

アルツハイマー型痴呆症の患者の70%が自分の歯を持っていないと報告されていますから、だんだん年をとるにつれ、自分の歯を保つことが大きな問題点となるでしょう。
鶴見大学歯学部付属病院病院長の斉藤先生はアンチエイジング外来を設けて、脳の機能と体の健全性を口腔医学から診ています。『老いない生活術―旭丘光志著・実業之日本社』の中で斉藤先生は次のように書いています。
“口腔は食べる、味わう、飲む、呼吸する、といった人間の根本的生存条件をつかさどりますが、さらに話すことや喜怒哀楽の感情表現といった、より高度な人間ならではの社会生活も支えています。もしそれらの機能が、加齢も含め何らかの理由で、一部でもスムーズにいかなくなったとしたら社会生活上、重大な支障をきたします。口腔というものは口や歯の問題だけでなく、その人の存在感そのものを担っているといっても過言ではないのです。
ところが、人間存在そのものでもあるこの口腔機能は、精妙でデリケートなだけに、加齢の影響が顕著に出やすい部位でもあります。しかも脳や他の臓器に問題が起きると、直ちに何らかの影響が口腔に及んできます。逆に口腔に問題が起きれば、必ず脳や全身の機能に影響が及び、生活の質に支障をきたします。”

8020(ハチマルニイマル)運動を歯科では勧められてきています。80歳で20本の自分の歯を残そうとするものです。人の永久歯は32本、6歳で生え替わるとして、それから20本の歯を残すのは、歯周病のことを考えるとなかなか大変です。
歯の主体をなすものは象牙質です。象牙質はリン酸カルシウムのヒドロキシアパタイトが70%、コラーゲンなどのタンパク質が20%、水分が10%で構成されています。歯の強さ、弱さ、歯の本数などは歯のもとになる歯胚が決めると言われています。妊娠中のお母さん、乳幼児の環境、栄養状態が一生の歯の状態を決めていくのでしょう。
私自身は30歳を過ぎてからサプリメントでプロテインスコアー100のタンパク質を毎日20~30g牛乳に溶いて飲んでいます。カルシウムの補給は毎日2本の牛乳と三角チーズを摂っています。虫歯を含め、歯がしっかりしてきたことが実感できます。
タンパク質やカルシウムを摂取し、自分の歯を大切にしていきたいものです。

町田 久

メタボリックシンドロームとアディポネクチン

昨年末に健康診断を受けました。血液、尿、心電図、動脈硬化度などいつもの検査に加えて、昨年から始まったおへその周りを測る検診が行われ、その結果が送られてきました。
内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)に関するアドバイスとして、“腹囲が85cm(測定値85.6cm)を超えることがメタボリックシンドロームの基準に該当します。これは高血圧と糖代謝異常が合併しやすく、心筋梗塞など動脈硬化性疾患を起こしやすくします。これを内臓脂肪症候群といいますが、生活習慣の改善で防ぐことができます。”と書かれています。
私の血圧は最高血圧126mmhg、最低血圧62mmHgで正常範囲です。糖尿検査でも90mg/dlで正常範囲です。そして動脈硬化度も7.6でいわゆる若い血管であるようですと書かれています。ただ腹囲だけが85cmを超えているだけで、メタボリックシンドロームに該当しました。もう少し腹囲の基準をあげても良いのではと思います。

そうした中、茨城県、筑波大、獨協医科大などのグループが、年を取ったら少し太目が長生きすると発表しました。茨城県9万人を対象にした調査で、40~79歳までの男性3万2千人、女性6万2千人を10年間追ったもので、どの体形の人が病気などで亡くなる確率が最も低いかを年代別に算出したものです。体形は体重(㎏)を身長(m)で2回割った体格指数(BMI)で見ます。その結果、男性は40~50代ではBMIが23.4、60~70代では25.3の人が一番死亡率が低く、女性は40~50代ではBMIが21.6、60~70代では23.4の人が一番死亡率が低いそうです。日本肥満学会ではBMI22を理想として、25以上を肥満としていますから、男性の場合40代からはこれよりも少し高めが良く、女性の場合も60代からは少し高めがいいと報告されています。
ちなみに私は身長が171.6cm、体重は73.5kg、年齢はこの3月で61歳、BMIを見ると25です。この数字を見るとほぼ理想の体重と思いますが、しかし検診では64.7kgが標準体重として、やや肥満と診断されています。

脂肪を燃焼するものとしてカルニチン、αリポ酸、コエンザイムQなどがサプリメントの世界で取りざたされていますが、昨年来内臓脂肪を燃焼させるアディポネクチンが話題になっています。従来、脂肪細胞の役割はエネルギーの貯蔵、組織の保護などといわれてきましたが、内分泌器官としてさまざまな生理活性因子を分泌していることが近年わかってきました。その中でも脂肪細胞が特異的に分泌するアディポネクチンはエネルギー代謝に重要な働きを持っていることが明らかになってきました。
標準体重の人には血液中に多く分泌し、内臓脂肪が増えるとアディポネクチンが減少し、アディポネクチンが増えると内臓脂肪が減少してきます。アディポネクチンはその他、インスリンの感受性を高めたり、血栓、動脈硬化を予防する働きがあります。ライチポリフェノールはアディポネクチンを増やし、内臓脂肪を減少させる働きがあることをヨーロッパ肥満学会などに発表しています。
1日4,50分の徒歩など適当な運動をしながら、オリゴノールを摂取してメタボリックシンドロームを解決していきましょう。

町田 久

森林と人間

年末、本屋に立ち寄り、お正月に読む本を探していました。
平積みの本を見渡すと、岩波新書で“森林と人間”という本が目に留まりました。副題は-ある都市近郊林の物語-とあり、帯には—市民の憩いの森はこうして生まれた—北海道苫小牧市で実現した都市林づくりの体験記—と書かれており、早速手にとって1冊購入しました。

北海道苫小牧市は私が生まれたふるさとで、高校卒業まで住んでいました。そしてこの本の舞台になる北海道大学苫小牧研究林、40数年前、市民は大学演習林と呼んでいましたが、高校生のクラブ活動で学校からよく走って行ったところです。学校から7,8キロもあったでしょうか。夏、演習林に入っていくと急に森の中に入り、風がひんやりと体を包み、汗が引いていきました。演習林の中ほどには小さな広場があり、北の片隅から湧き出した幌内川が、川幅4メールほどの穏やかな清流を流していました。その川の水を飲み、汗をぬぐうのがとても快感でした。ザリガニもいて、網で焼いた想い出もあります。
高校のときは苫小牧からバスで1時間ほどの国立公園支笏湖の湖畔から登れる風不死岳(1,103m)から樽前山(1,041m)へとよく縦走しました。風不死岳は湖畔から見ると聳え立つような山で、湖畔から沢筋を登り、山頂近くは両岩壁が高く、一人がやっと登れるほどの険しい沢になっています。雄大な湖畔を見渡しながら樽前山に尾根を歩き、樽前山の7合目ヒュッテで管理人のおじさんと話をしながら一休みして下山、苫小牧行きの最終バスを目差して、かなり早足でバス停まで向うのがお決まりのコースでした。

苫小牧の春は連休を過ぎてからやってきます。演習林も6月から9月ぐらいまでしか入れません。演習林は2715ヘクタール(東京ドーム581個分)あり、以前、林の奥は人工林の針葉樹のカラマツ、トドマツが手入れされず、中に踏み込めないほど荒れ果てていました。その演習林を総合的な自然研究の拠点とすると同時に、市民を積極的に受け入れる休養林として森を活かして森林を再建したのが1973年から1996年まで苫小牧演習林長を勤められた、この本の著者、石城健吉さんです。
彼はまず長くこの地域の風土に適応したミズナラ、シナ、ハルニレなど在来の広葉樹を主体とした森づくりをはじめました。落葉広葉樹の明るい木陰は市民の休養の森にとって不可欠の要素であり、さまざまな動植物の生物相が豊かになります。市道の演習林入り口からグラウンドを含む構内一円を森林資料館と森林をつなぐ役割を持つ森の応接室あるいは玄関ホールとして整備し、樹木園と名づけました。その樹木園は森林空間を典型的な形で人々に示し、身障者、子ども、高齢者を含む訪問者のすべてがそれを味わえます。
彼は著書の中で都市住民にとっての森林の効用について次のように記しています。

“何よりもまず、この森林空間の平穏さと快適性の中に身を置くことにある。(略)やってくる市民の姿は、見ているとまことにさまざまだ。池の岸でいつまでも水を眺めている人、寄ってくるカモに餌をやっている人、芝生の中を走り回る子供たち、寝そべってそれを見守る親たち、何をしにきたのでもないこうした市民の姿こそ、今後とも都市林としてもっとも大切にすべきものである。”

町田 久

インフルエンザとビタミンC

今年は例年より1ヶ月も早くインフルエンザの流行の兆しが見えています。
インフルエンザはなかなか厄介な病気で、1918年のスペインかぜは38年間、1957年のアジアかぜは11年間、そして1968年香港かぜ、1977年ソ連かぜと続き、世界中で猛威をふるってきています。スペインかぜでは当時世界の人口は18億人、その30%の6億人が罹患し、その罹患者の2.5%の2000万人~4000万人が死亡しています。日本は当時5700万人、40%の2300万人が罹患し、その1.7%弱の38万人が死亡しています。当時は薬もワクチンも持っていませんでしたので、猛威をふるい大流行したのでしょう。

しかし現在、鳥及び新型インフルエンザの流行が間違いなく出てくると言われています。この鳥及び新型インフルエンザが流行すると世界で5000万人~6000万人、日本でも60万人以上の死者が出ると予想されています。スペインかぜ当時は4ヶ月かかっていたのが、いまはジェットの時代、ウイルスは4日間で世界を1周してします。そして世界の人口は現在65億人、日本の人口は1億3千万人と人口が大幅に増大しています。
またウイルスの型に大きな問題があります。インフルエンザウイルス粒子内の抗原性の違いからA,B,Cの3つ型に分けられますが、このうち流行的な広がりを見せるのがA型とB型で、特にA型はブタ、トリなど人畜共通感染症として広く分布していくのが特徴。A型ウイルスは粒子表面の糖タンパクの違いでHとNがあり、鳥及び新型インフルエンザはH5N1型です。
型が分かっているのになぜワクチンで予防できないか、それはインフルエンザウイルスがわずかに抗原性を変化させてヒトの免疫から逃れているからです。変化したウイルスに対するワクチン、パンデミック(流行)ワクチンを作るのに早くて6ヶ月はかかるそうです。H5N1型インフルエンザは今年2月までに感染者が361名、死亡者は60%と強い増殖能があります。今のところ20歳台の感染者が多く、ほとんどがトリの世話をして、直接あるいは密接な接触があった人で、人から人への感染はごくわずかな例にとどまっています。

インフルエンザはもちろんですが、普通の風邪の2分1から3分1はライノウイルスによるもので、この種類だけでも数百あるといわれ、欧米ではライノウイルスのことを(鼻)かぜウイルスと呼んでいます。ウイルスは我々の体のリボゾームというタンパク質を作る工場に入り込み、我々のタンパク質を作る工場を利用して、ウイルスを製造してウイルスを多数放出していきます。そのウイルスがまた新たな細胞の工場に入り込んでいきますから、あっという間にウイルスで感染されてしまいます。1日2日の潜伏期間で発病します。外出後、手を洗うこと、うがいをすることからはじめましょう。
ウーロン茶でうがいすると良いと報告されています。モミの木の精油を部屋に置いておくのもいいですし、モミの木のセラオイルで鼻の横、鼻の下を朝晩マッサージするのもいいでしょう。モミの木には抗菌作用が強いです。そしてやはり極めつけはビタミンCと免疫賦活サプリメントを朝、昼、夜と3,4回摂取することがウイルスを増殖させない方法でしょう。ビタミンCはウイルスが増殖する工場、リボゾームにウイルスが入れないように邪魔をしていきますし、直接ウイルスに戦う力もあります。そのためにビタミンC濃度を一杯に上げていかなければなりません。
果物、野菜など食べ物ではたくさん食べても3分の1濃度しかあがりません。サプリメントでビタミンCを積極的に取りましょう。

町田 久